ある研究員の blog

日頃感じていることや、楽しいこと、疑問に思っていること、技術的なものなどを綴っていきます。

どのような疑問を設定してそれを精査するか

前回はイントロダクションを書くときの心得らしきものを書いた。そこでは、どこに白黒はっきりつけるか、と言うことを書いたが、ではどのように疑問を設定するのかが問題となる。今回はその点について考えてみよう。
いろいろな本のなかには、「なぜその研究をやらなければならなかったのかを書くべきだ」と書いてあることが多いが、実はこの表現には誤解を生む可能性がある。何故なら、「それは人類にとって有益だから」という定義付けも可能になるからだ。実は経験が少ない場合、この点で躓きやすい。では何を書けばいいのか?
ひとつの答えは前のエントリーの中の例で考えれば、「Aというプロセスが現象の中で効いているという仮説がある。これは、比較的古くから考えられるプロセスで、◯◯et al.や、××et al.らが報告している。一方で近年ではBというプロセスも報告されてきているyy et al.。これらのプロセスは両方とも考えられるが、どちらが効くか理解しなければ、全体のプロセスが過小評価、過大評価される」などのin debateという考え方を書く必要があるのだ。
こうすることで、より議論の幅が広がり、うまくその重要性をアピールできる。